ここでは、遠隔臨場のメリットと導入する際に注意したいポイントについて、それぞれ簡単にまとめています。遠隔臨場のメリットやデメリットをしっかり理解したうえで、遠隔臨場を導入するようにしましょう。
現場の臨場においては、監督員は遠く離れた現場に出向き、複数の現場を掛け持ちすることも少なくなく、移動にかなりの時間を割かれることになります。遠隔臨場を行えば、移動が不要になり、他の業務などに時間を使うことができ、業務効率のアップに繋がります。
録画しておいた臨場の映像を使えば、若手の研修用の教材として役立てることもできます。特殊な現場では、通常とは異なる事例も発生することがあるため、研修で活用することで、会社全体としてスキルアップを期待できます。
建設業界は人手不足という課題を抱えています。遠隔臨場を活用することにより、現地で臨場を行う人員を減らすことにより、現場の業務効率が上がり、人手不足の解消にもつながるといえます。また、職場環境を向上することで、新たな人材を獲得する機会は増えるといえるでしょう。
遠隔臨場は、新型コロナウイルス感染症などの感染症対策としても、非常に有効です。建設現場は、公的な施設なども多く、作業を中断することなく、継続することを求められるため、遠隔臨場を活用すれば、監督員が現場に出向くことがないので、人と接触することなく、臨場を行えるため、感染対策をすることができます。
遠隔臨場の実施には、ウェアラブルカメラや通信端末などの器材が必要になります。一般的に器材をレンタルやリースすることはできますが、導入コストは発生します。発注者が費用の全額を技術管理費として負担する「発注者指定型」の場合、比較的費用負担は少なくて済みますが、受注者が費用負担する「受注者希望型」では、導入の際に必要なコストが異なるため、両者を見比べ、しっかり検討することが必要です。
遠隔臨場におけるウェアラブルカメラや端末は、ITに不慣れな方にでも使いやすく、簡単なものがたくさんあります。ただ、それでもIoTデバイスの操作に慣れていないケースもあり、撮影したデータを誤って削除してしまったり、上手く操作ができず、なかなか臨場を始めることができないということもあります。導入する際には、操作マニュアルの作成や社員研修などを適切に実施するようにしましょう。
遠隔臨場のメリットと導入の際に気をつけたい点を簡単にご紹介しましたが、建設現場における遠隔臨場の試行は、本格的に始まっています。感染対策や建設業界における人手不足や働き方改革の解決策として、遠隔臨場に大きな期待が寄せられていますので、遠隔臨場のメリットやデメリットをしっかり理解したうえで、遠隔臨場ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。